World Minerals — Mineral Catalog

World Minerals Catalog

トルマリン

「あらゆる色を持つ」と称される電気石。アフガニスタンのトリカラー、ブラジルのウォーターメロン、ロシアの赤紫まで — 自然が色彩のすべてを試した結晶。

Scroll

トルマリン (Tourmaline) は、「一つの結晶のなかに、虹のすべての色を閉じ込めた鉱物」と語られる、化学的にも結晶学的にもきわめて複雑な鉱物グループです。日本語の 電気石 (でんきいし) という和名は、加熱・摩擦で電気を帯びる焦電性 (パイロエレクトリック) と圧電性 (ピエゾエレクトリック) に由来します。ベンジャミン・フランクリンの時代から科学者の関心の的だった、機能を持つ宝石です。

鉱物データMineralogy

項目 データ
鉱物種 トルマリン (グループ名)
主な構成種 エルバイト、ショール、ドラバイト、ウバイト、リディコータイト ほか
化学組成 XY₃Z₆(BO₃)₃Si₆O₁₈(OH)₄ (複雑なホウケイ酸塩)
結晶系 三方晶系
硬度 (モース) 7 – 7.5
比重 3.06 – 3.20
屈折率 1.62 – 1.66
焦電性・圧電性 あり
三色性 顕著
誕生石 10月 (アメリカ宝石業界)

トルマリンは一つの鉱物名ではなく鉱物グループ名です。化学組成のうち X 席 (Na/Ca/K)、Y 席 (Li/Al/Fe/Mg/Mn)、Z 席 (Al/Cr/V) のどれが入るかで別の鉱物種に分類され、色も変わります。宝石業界で語られる「ルベライト」「インディゴライト」などは厳密には色の呼び名であり、鉱物種の名前ではないことに注意が必要です。

カラー・バライエティ色の博覧会

主要な色変種と、対応する鉱物種:

これらが同じ一本の結晶内で連続的に変化するのが、トルマリン最大の不思議です。

ブラジル Cruzeiro 産トルマリン
No.1828ブラジル Cruzeiro 産トルマリン

産地別の特徴Origins

ブラジル ミナスジェライス産

トルマリン王国・ブラジル。Cruzeiro 鉱山Pederneira 鉱山Jonas 鉱山Santa Rosa 鉱山 など、世界最高品質のトルマリンを産出する一大鉱区です。色幅・サイズ・透明度のすべてで標準を提供しており、コレクター・宝飾市場の両方で第一の参照点となっています。

ブラジル Pederneira Mine 産トルマリン
No.1826ブラジル Pederneira Mine 産トルマリン

そして、ブラジル北東部 パライバ州で 1989 年に発見された「パライバ・トルマリン」は、銅 (Cu) 含有による電光のような蛍青色 (ネオンブルー/ネオングリーン) で、宝石業界を一変させました。

アフガニスタン パンジシール / クナール産

アフガニスタンは、トリカラー (三色) のリディコータイト系トルマリンで世界的に知られます。一つの結晶のなかに緑・ピンク・無色のセクションが連続的に並ぶ景色は、パキスタン・アフガニスタンのペグマタイト産独自の表情です。インディゴライトの青色トルマリンの産地としても重要。

アフガニスタン産 トリカラートルマリン
No.1758アフガニスタン産 トリカラートルマリン

アフガニスタン産トルマリン
No.1827アフガニスタン産トルマリン

パキスタン産

カシュミール・ギルギット地方や、Stak Nala などペグマタイト鉱床から、サイズの整ったルベライト・インディゴライト・グリーン系トルマリンが産出します。アフガニスタン産と並び、アジア圏の主要供給地です。

ロシア ウラル産

ロシア・ウラル山脈は古典的なトルマリン産地。皇帝エカテリーナ二世がコレクションした歴史的な赤紫トルマリン (ルベライト) が知られ、19 世紀宝飾の主役の一つでした。

ロシア産トルマリン
No.1821ロシア産トルマリン

マダガスカル・モザンビーク・USA メイン州

マダガスカル産はリディコータイトの大型結晶、モザンビーク産はパライバ類似のネオンブルー、メイン州産はバイカラー・パーティーカラーの古典産地として知られます。

ウォーターメロン・トルマリン西瓜の断面

ウォーターメロン (Watermelon)」と呼ばれる変種は、結晶の中央がピンク (果肉)、外側が緑 (皮)、その間に薄い白いライン (種の周りの白い部分) を呈する、まさに西瓜の断面のような同心リング構造を持ちます。一本の結晶を水平に切断して、その断面を磨くことで初めてこの景色が現れます。原石のまま縦方向で見ると、ピンクと緑が縦に並ぶ「バイカラー」になります。

鑑賞ポイント

鑑別と処理

取り扱いと保管

歴史と文化

トルマリンの名はシンハラ語の トゥルマリ (Turmali) — 色とりどりの石に由来します。16 世紀、オランダの船員がスリランカからヨーロッパに持ち帰ったとされ、当初はサファイアやエメラルドとして売られていました。18 世紀に独立の鉱物として認識され、19 世紀の Buchwald、Hauy らの研究で結晶学・電気特性が解明されました。アメリカ宝石業界では 10 月の誕生石 (オパールと並んで)。

トルマリンと相性が良い石

World Minerals について

世界各地の鉱山や信頼できるディーラーから直接買い付けることで、品質と価格のバランスを意識した天然石・鉱物原石をお届けしています。トルマリンは「色の博物館」のような鉱物。コレクションを少しずつ集める楽しさ、ハンドメイド素材としての可能性、両方をラインナップしています。

商品一覧

In Stock — Available Now

ご購入は本店で

商品の在庫状況・注文は World Minerals 本店 (BASE Shop) でご案内しています。

本店へ進む